2014年7月3日木曜日

舞踏についての感想、雑記

書きかけでボーっとしてる間に一ヶ月も経ってしまって本当によくない…

2つ前の記事に頂いたコメント↓を受けての雑記です
コメント欄に返事すればいいんだけど、上記で教えてもらった情報について調べながら関連した動画などもいろいろ見ていたら返信欄に書き切れなくない量になってしまったので、ワーっと雑感のメモを書き残しておきます


上のコメントでビトさんが教えてくれた動画がこれです



わー、シークエンスに関するビトさんの説明はとてもわかりやすかったのですが、それが実際に高速で実演される様を観てると、初見では脳がまだ処理し切れない感じ…!

ジャズの高速アドリブ・ソロを聴いてるときみたいな、音の奔流に分析が追いつかない、みたいな感じした、でもそれは慣れとか文脈の理解とかで埋めれる部分もあるだろうから、定期的に何度か見返したいな


で、これの「Rosas」というダンス・カンパニーについて全然知らなかったので検索してみた、以下は検索して見つけたこちらの記事から少しずつ引用させて頂いています


ローザスは1982年に振付家・ダンサーであるアンナ・テレサ・ド・ケースマイケルらによって設立されたダンスカンパニーです。 
最初の作品はスティーブ・ライヒの音楽を使った「FASE」という作品で、この作品はその後、何度も再演、再制作されて今でもカンパニーのレパートリー作品の1つとして上演され続けています。 




ローザスの方法論は音楽の構造を分析し、それをそのまま振付の構築に移管してダンスを作るというところにあります。 
「FASE」ではスティーブ・ライヒの音楽が使われていますが、ここで使われた「PIANO PHASE」という曲の構造がまずあって、それがそのまま2人のダンサーの動きとして可視化されているという関係性がこのダンスの骨子だということがあります。 

 この「Face」というのが最高だった、ハーめっちゃいい…

ライヒとか全然ちゃんと聴いたことないのですが、この曲(「Piano Phase」)はたまたまなんかでyoutube動画を観たことがあって、回転・反復・ズレが共存してるのがめっちゃ気持ちいい…と思ったの覚えてる

その魅力が一切損なわれずにダンスに転化されてるのすごい…!


以前観たという動画、確かこれだったと思うんですけどいま改めて観たらマリンバVer.だった






「PIANO PHASE」という曲はフェイジングという技法で作曲されているのですが、それは以下のようなものです。  
はじめは同じフレーズを2人でユニゾン演奏していますが、2人は微妙に異なるテンポで演奏を行うため少しずつに2人の拍、節がずれていき、最初の段階ではエコーのような効果を伴い音型を追いかけるような演奏に聞こえる時間帯が出現します。 
次に音の遅れが一定に達すると再び2人の演奏のパルスが重なる時間帯になりユニゾン演奏が再び出現します。 
しかし、一方の奏者は音型の中で音符が一つ分遅れた位置からフレーズを反復演奏しているため、最初のユニゾンとは異なる縦のハーモニーを形成します。 
「PIANO PHASE」もそういう構造を持っているわけですが、ケースマイケルによる振付はその構造を正確に映していて、 最初はユニゾンで同期(シンクロ)している2人のダンサーは、腕の振りと身体の回転を繰り返すというミニマルな動きのなかでその動きのきざむリズムが2人の演奏のそれぞれに対応しており、 
ものすごく単純化していうと最初同期していた音がピッチの違いにより徐々にずれていくという曲の構造に合わせて、2人のダンサーの動きも回転の速さが腕振り1回につき回転が32分の1ずつ(ではないかもしれないが)ずれるというような構造になっているのではないかと思う。
 [セミネール]「ダンス×アート 源流を探る ローザス=ケースマイケル」セミネールin東心斎橋WEB講座



曲をたまたま知ってたこと、あと動きのパターン数が絞られている、というのもあって、この『Fase』はグイグイ入っていけた、あとRosasは「反復」が基本テーマのうちの一つにある感じの集団なのでしょうか?これとかもすごくおもしろかった



さっきはピアノのフレーズだったけどここでは味気ないスポークンワードとダンスが連動していて、やっぱり反復とズレ、リヴァーブでだんだん世界が歪んでく感じとか最高


······


と、ここまでが前の記事のあとコメントのレスポンスとして一月まえぐらいに書いてた部分でした

で、なんかこの一ヶ月は舞踏に書かれた本を買おうとかしてて、いろんな本があり迷ったんですけど、最終的に2冊、邦正美さんの『舞踏創作と舞踏演出』、もう1冊は海外のダンサーへのインタビュー本『コリオグラファーは語る』というの、をようやく最近買いました(『コリオグラファーは~』はまだ届いてない…)。


本読むよりは、その時間でいろんな舞踏を観てみた方がいいのかな、固定概念がつかないうちに、という思いもあったけれど、

こう、自分はたまに美術館とか行くとき、歴史とか作家の過去作品とかバックグラウンドとか、一切調べずにまっさらな状態で観たい、と思っていつも行くのですが、そんな感じで美術の知識が一切ない自分は、Naverまとめなんですけどこないだ読んだこの西洋美術史まとめが凄くおもしろくて。

大人の常識!?よくわかる西洋美術史入門!




たとえばミレーの「落穂拾い」とか、昔教科書で見たぐらい有名だけど、「ずば抜けてめちゃくちゃ上手いというわけではないっぽいし、モチーフも何でもない日常のワンシーンだし、この絵のどこがそんなに歴史的なほど凄いんだろう…」というのずっとわからなかったんですけど、順序づけて歴史の中に置くことで、その意味とか、価値観の転換みたいなのがわかるというのおもしろいなー!と。

意味や歴史から切り離して1つの作品として観る、というのも大事だけど、舞踏については何かそういう「前提」みたいなの少しだけでも入れとくことで楽しめる部分もありそうだなーと思って本を読んでみることにした感じです。


先に読み始めた『舞踏創作と舞踏演出』は30年近く前に書かれた本のようなので、少し読みにくい部分もあるし、また2014年の現在は状況もここに書かれたものとは大きく違ってたりするのかな、とも思うけれど、

その中で紹介されていた舞踏の関連種類の一つみたいなので「音楽の視覚化」(Visualisation of music)というのがあって。引用すると


「舞踏における音楽の視覚化というのは、音楽を忠実に人間の身体運動で翻訳すること」
「音楽の視覚化はコレオグラフィとは異なり、与えられた楽曲を分解して極めて忠実にコレを身体運動で翻訳した。たとえば管弦楽を視覚化するときは、ヴァイオリンは18歳の少女が代表し、ヴァイオリンの部分が演奏されるときはそのリズム通りに踊り、ヴァイオリンが休止になると彼女もポーズをつくって待つ」
(邦正美著:「創造と舞踏舞踏パフォーマンス」より)


この「Visuarisation of music」でYoutube検索すると、今はもうダンスよりVJ的な映像(光や映像効果で音楽を視覚化してる)が多く並ぶようなのだけど、ダンス系で拾うと、これとか音楽と連動している様子がわかりやすかった(「音符と連動している」といった方がわかりやすいのかも)。





先のRosasも、いくつかYoutube動画を観ただけなので全然知ったようなことはいえないけれど、ここまで観たいくつかの演目に関しては「Visualisation of music」的な思想があるものなのかな?

舞踏の世界では目新しいテーマではないのかもしれないけれど、最近興味を持った自分にとってはすごくおもしろいし、もっといろいろ観てみたいと思った、あと上で貼った「come out」とかみたいに、メロディーのある音楽だけじゃくて、スポークンワードの視覚化とか、もっと様々な音の視覚化もたぶんあるだろうな、そのあたりも気になる、といった話を、ようやくブログに書けてスッキリしました

1 件のコメント:

  1. ナイス考察でした。。
    ローザスはミニマリズムの代表ですね。見ているとどんどん仕組みが紐解かれて身体から音楽が聞こえる振付とかダンサーを見ると感動がぶわーっと押し寄せて来る感あります。VJ的な言い換えも分かりやすくて良かったです!

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